QR コード医療活用とは、医療現場において QR コードを患者識別、薬剤管理、検査結果共有、施設案内などに応用する取り組みの総称である。QR コードは、1 次元のバーコードより多くの情報を格納でき、汚れや破損があってもデータを復元する誤り訂正の機能を備える。
患者識別では、リストバンドに印刷したコードをスキャンして本人を確かめる。GS1 の頁 (2026 年 10 月時点) は、ケアの現場で GS1 の標準を使ってスキャンすることが医療の過誤を減らす助けになるとしている。薬剤管理では、QR コードとは別の 2 次元シンボルである GS1 DataMatrix に、GTIN (商品の識別コード)、ロット番号、有効期限、シリアル番号などを格納し、追跡や回収に使う。GS1 の 2 次元バーコードの頁 (2026 年 10 月時点) によれば、GS1 DataMatrix は医療の分野で広く採用されている。
新型コロナウイルスのパンデミックでは、接触確認アプリや陰性証明書に QR コードが使われた。官民の組織の任意の連合である VCI (Vaccination Credential Initiative) が開発を主導する SMART Health Cards の仕様 (バージョン 1.4.0 / 2026 年 10 月時点) では、発行者が署名した接種記録などを QR コードで提示でき、検証する側は署名が正しいかを確かめる。発行後に書き換えると署名が合わなくなる。
医療分野での QR コード活用では、個人情報の保護との両立が課題になる。QR コードに直接個人情報を格納するのではなく、短縮 URL やトークンを介して、認証を経たシステムから情報を取得する設計がある。この形なら、QR コードが第三者に読み取られても、認証なしでは個人情報に届かない。
電子カルテとの連携や遠隔医療での本人確認などへの応用も考えられる。短縮 URL と組み合わせると、印刷した後にリンク先を変えたり、リンクに有効期限を設けたりできる。