タイポスクワッティングとは、有名なドメイン名のタイプミスを狙って類似ドメインを取得し、誤ってアクセスしたユーザーを悪意あるサイトに誘導する攻撃手法である。googel.com、amazom.com、faceboook.com のように、1 文字の追加 / 削除 / 置換 / 転置で生成されるドメインが典型例だ。
攻撃者はタイポドメインを取得した後、フィッシングサイト、マルウェア配布ページ、広告収入目的のパーキングページなどを設置する。ユーザーがアドレスバーに URL を手入力する際のミスを狙うほか、メールやメッセージ内のリンクで正規ドメインに酷似した URL を使用するケースもある。視覚的に区別しにくい文字 (l と 1、O と 0、rn と m) を利用する手口もある。
短縮 URL サービスもタイポスクワッティングの標的となる。bit.ly に対する blt.ly のように、1 文字だけ違う類似ドメインが使われる。また短縮 URL のランダム文字列部分 (例: bit.ly/abc123) を総当たりで探索し、有効なリンクを発見して悪用する手法も存在する。短縮 URL サービスの提供者は、類似ドメインの先行取得やドメインの監視で被害を減らせる。
防御策としては、自社ブランドに関連するタイポドメインを先行取得して正規サイトにリダイレクトする方法がある。ブラウザーのセーフブラウジング機能との連携や、従業員向けのセキュリティ教育も使われる。短縮 URL を利用する際は、信頼できるサービスのドメインを正確に確認するよう利用者に促す方法もある。商標の権利者は、ICANN の統一ドメイン名紛争処理方針 (UDRP、2024 年 2 月 21 日に更新され、2025 年 8 月 21 日から適用された版) に基づき、ICANN 認定のレジストラが扱うドメインと、この方針を採用した一部の国別ドメインを対象に、商標と同一か紛らわしく類似し、登録者に正当な権利や利益が無く、悪意で登録され使用されているドメイン名について、取り消しか移転を求める手続を申し立てられる。米国では反サイバースクワッティング消費者保護法 (15 U.S.C. §1125(d)) が、商標から利益を得る悪意の意図による同種のドメイン名の登録、取引、使用を、商標の権利者が起こす民事訴訟の対象にしている。