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ホモグラフ攻撃

見た目が似た異なる文字 (Unicode) を使って正規のドメインに偽装するフィッシング手法。肉眼での判別が極めて困難。

2026 年 10 月 16 日 / 約 1 分で読めます

セキュリティ

ホモグラフ攻撃 (Homograph Attack / IDN Homograph Attack) とは、見た目が同じまたは酷似した異なる Unicode 文字を使って、正規のドメイン名に偽装する攻撃手法です。たとえば、ラテン文字の「a」(U+0061) とキリル文字の「a」(U+0430) は肉眼では区別できませんが、コンピューター上では異なる文字として扱われます。

具体例として、「apple.com」のラテン文字「a」をキリル文字「a」に置き換えた「apple.com」(見た目は同じだが実際は異なるドメイン) を登録し、Apple の偽サイトを構築するケースがあります。2017 年にセキュリティ研究者の Xudong Zheng 氏がこの手法を実証し、大きな注目を集めました。

国際化ドメイン名 (IDN) の仕組みがこの攻撃を可能にしています。IDN は日本語やアラビア語などの非 ASCII 文字をドメイン名に使えるようにする技術で、内部的には Punycode (xn-- で始まるエンコード) に変換されます。ブラウザーのアドレスバーには Unicode 表示されるため、ユーザーは偽装に気づきにくくなります。

短縮 URL とホモグラフ攻撃の関係は二重のリスクを持ちます。第一に、短縮 URL サービス自体のドメインがホモグラフで偽装される可能性があります。第二に、短縮 URL のリダイレクト先がホモグラフドメインのフィッシングサイトである可能性があります。短縮 URL サービス側でも、登録される遷移先が偽装ドメインであれば受け付けない運用が求められますが、見た目の類似だけを根拠に機械的に線引きできるものではありません。

主要ブラウザーはアドレスバーの表示側で対策を取っていますが、Punycode 表示に切り替える条件はブラウザーごとに異なります。Chrome は公開している表示ポリシーで、紛らわしいスクリプト (文字体系) の混在だけでなく、単一のスクリプトだけで組まれた紛らわしい名前や、紛らわしい字を共通の形に揃えると有名ドメインと一致してしまう名前も Punycode 表示の対象としています。Firefox はトップレベルドメインのレジストリ側で対策方針が示されている場合に Unicode 表示を許す方式を軸にしており、1 つのスクリプト内で全文字を置き換えた偽装は表示側では防げないとして、登録を受け付ける側の責任範囲としています。2017 年に注目を集めた事例がすべてキリル文字で組まれていたのも、スクリプトの混在を手掛かりにする判定をこの形が通り抜けたためです。アドレスバーに Unicode がそのまま表示されていることは、そのドメインが正規である証拠にはなりません。

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関連用語

フィッシング

正規のサービスを装った偽サイトに誘導し、個人情報や認証情報を詐取するサイバー攻撃手法。

URL エンコーディング

URL に使用できない文字をパーセント記号と 16 進数で表現する変換方式。日本語や特殊文字を URL に含める際に必須。

パーセントエンコーディング

URL エンコーディングの正式名称。 RFC 3986 で定義された、URL 内の非 ASCII 文字や予約文字の表現方法。

HTTPS

HTTP に SSL/TLS による暗号化を追加した通信プロトコル。 Web サイトのセキュリティと信頼性の基盤。

SSL/TLS

Web 通信を暗号化するセキュリティプロトコル。 HTTPS の基盤技術であり、データの機密性と完全性を保証する。

国際化ドメイン名

ASCII 以外の文字 (日本語、アラビア文字など) を含むドメイン名。Punycode で内部変換されるが、ホモグラフ攻撃のリスクを伴う。

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よくある質問

ホモグラフ攻撃を見分ける方法は?
肉眼での判別は極めて困難です。ブラウザーのアドレスバーで URL を確認し、Punycode (xn-- で始まる文字列) が表示されていれば、ブラウザーが表示を安全側に落としたということなので、そのドメインを疑う手掛かりになります。ただし正規の国際化ドメイン名でも Punycode 表示になることがあるため、Punycode 表示それ自体が偽装の証明ではありません。逆に Unicode 表示のままであっても安全とは言えません。不審なリンクは、URL をコピーしてテキストエディターに貼り付け、文字コードを確認する方法も有効です。
日本語ドメインもホモグラフ攻撃に使われますか?
はい、日本語の漢字と中国語の漢字は見た目が同じでも Unicode のコードポイントが異なる場合があり、ホモグラフ攻撃に悪用される可能性があります。ブラウザーの対策が進んでいますが、完全ではありません。
短縮 URL サービスはホモグラフ攻撃を検出できますか?
短縮 URL サービス側でも危険な遷移先の登録を弾く運用は行われますが、見た目が似ているだけの文字列を機械的に判定するのは難しく、すべてを取り除けるものではありません。遷移先のドメインは開く側でも確認する前提で考えるのが実務的です。

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