ファーストパーティデータとは、企業が自社のチャネル (Web サイト、アプリ、店舗、CRM など) を通じて直接収集したユーザーデータのことである。Safari はサードパーティ Cookie を既定で全面的にブロックし (WebKit の 2020 年 3 月の告知)、Firefox は既定でサイトごとに Cookie を分けて保存する Total Cookie Protection を使う (Mozilla の 2022 年 6 月の告知、2024 年 8 月更新)。Google は 2025 年 4 月に、Chrome ではサードパーティ Cookie の扱いを利用者が設定で選ぶ現在の方式を続けると告知した。こうしたブラウザーの扱いやプライバシーに関する規制を背景に、ファーストパーティデータが注目されている。
ファーストパーティデータの特徴は、利用者から直接取得するため、データの出どころが明確な点にある。具体的には、サイト訪問履歴、購買データ、会員登録情報、アンケート回答、カスタマーサポートの対話記録などが該当する。これらを CDP (顧客データプラットフォーム) に統合し、セグメンテーションやパーソナライゼーションに活用する。
短縮 URL サービスのクリックデータは、ファーストパーティデータの例として挙げられる。自社で発行した短縮 URL のクリック日時、参照元、デバイス情報、地域情報は、サードパーティに依存せず自社で管理できる。これらのデータを CDP に連携すれば、オフライン施策 (チラシ、名刺、看板) の効果測定や、ユーザージャーニーの可視化が可能になる。
ファーストパーティデータを扱う際は、データ収集の透明性が問われる。具体的な対応には、プライバシーポリシーでの明示、オプトイン/オプトアウトの提供、データの利用目的の限定がある。短縮 URL のクリックデータについても、トラッキングの事実をユーザーに開示し、必要に応じてトラッキングなしの直接リンクを選択できる仕組みを提供する方法もある。