Pinterest は他の SNS とは性質が大きく異なるプラットフォームで、投稿 (ピン) が公開直後だけでなく長期間にわたって閲覧され続けることが最大の特徴です。ピンは検索やおすすめ経由で見つけられるため、公開から数ヶ月経ったピンが流入を生み続けることもあります。 Twitter (X) のツイート寿命が約 18 分、 Facebook 投稿が 5 〜 6 時間と言われるのと比べると、 Pinterest は「フローではなくストック」のチャネルです。短縮 URL を活用すると、長期にわたる流入を商品 ID 別、施策別に正確に計測できます。
Pinterest での短縮 URL 活用は、リッチピン (Rich Pins) との組み合わせが効果的です。リッチピンはリンク先のメタデータをピン側に反映する仕組みで、商品の価格や在庫状況、レシピの材料、ブログ記事の冒頭文を Pinterest 上で見られるようにします。リッチピンの審査では、リンク先の OGP メタタグが正しく設定されている必要があり、短縮 URL のリダイレクト先で適切なメタデータを返せる構成が必須です。 301 リダイレクトを 1 段に抑え、リダイレクト先の HTML で OGP を正しく出力するのが審査通過の最短ルートです。
ボード単位の計測は、 Pinterest マーケティングの効果測定で見落とされがちな観点です。同じブランドでも、「インテリア」「キッチン」「子育て」のボードでは流入してくるユーザー層がまったく異なります。 UTM の 「utm_campaign」 にボード名 (slug) を入れ、 「utm_content」 にピンタイプ (画像、動画、カルーセル) を入れて計測すると、「インテリアボードのカルーセルピンが商品 A の購入に最も効く」「子育てボードの動画ピンはニュースレター登録に効く」といった粒度で施策を分解できます。
Pinterest は EC との親和性が高いプラットフォームです。次に買うものを探す目的で使う利用者が多く、 Pinterest 自身も買い物の場としての性格を前面に打ち出しています。商品 ID 別の短縮 URL を発行し、 Shopify や BASE などの EC プラットフォームでピン経由の購入を分析できる構成にすると、商品ごとの「Pinterest 適性」が見えてきます。同じブランドの中でも、テキスト訴求が必要な商品より、ビジュアル訴求で売れる商品のほうが圧倒的に Pinterest と相性が良く、品揃えの最適化判断にも繋がります。
注意点としては、 Pinterest がスパム対策の方針を明示している点です。 2026 年 8 月時点のコミュニティガイドラインでは、収益目的で反復的・誤解を招く・無関係なコンテンツを保存する行為やスパム対策の仕組みを回避する行為が禁止され、違反したコンテンツは削除や配信の制限の対象になるとされています。スパムに悪用されるリダイレクトサービスがブロックされる場合があることも書かれており、遷移先が利用者に予測できる形を保つのが前提です。短縮 URL の種類を無闇に増やすよりも、信頼性の高い独自ドメインの短縮 URL を 1 〜 2 種類に絞り、コンテンツの質で勝負する戦略が長期的な成果に繋がります。
ピンの形式についても押さえておきたい変更があります。かつて Pinterest には通常のピンとは別に Idea Pin (複数ページ構成のストーリー型コンテンツ) があり、外部リンクを付けられない仕様でした。 Pinterest は 2023 年 8 月にこの 2 つを 1 つのピン形式へ統合し、統合後のピンには外部リンクを追加できるようになったと公式ブログで説明しています。 2026 年 8 月時点では投稿時に選ぶピンの形式は 1 つで、静止画でも動画でも複数ページでも同じピンから遷移先へ送れます。そのうえでプロフィール欄にも短縮 URL を置いておくと、個々のピンから訪れた利用者がアカウント全体の入口を見つけやすくなります。
Pinterest の短縮 URL 戦略は、ストック型チャネルの利点を活かす長期視点と、リッチピン審査やスパム判定への配慮、ボード別計測の徹底が要点です。 X や Instagram のように 1 日単位で結果を求めず、四半期単位で施策の効きを見る運用に切り替えると、安定した流入と購入をもたらすチャネルに育ちます。