Pinterest は他の SNS とは性質が大きく異なるプラットフォームで、投稿 (ピン) が公開直後だけでなく長期間にわたって閲覧され続けるのが特徴です。ピンは検索やおすすめ経由で見つけられるため、公開から数ヶ月経ったピンが流入を生み続けることもあります。投稿がすぐに流れていく SNS と比べると、Pinterest は「フローではなくストック」のチャネルです。短縮 URL を使うと、長期にわたる流入を商品 ID 別、施策別に分けて見られます。
Pinterest では、短縮 URL をリッチピン (Rich Pins) と組み合わせる使い方があります。リッチピンはリンク先のメタデータをピン側に反映する仕組みで、商品の価格や在庫状況、レシピの材料、ブログ記事の冒頭文を Pinterest 上で見られるようにします。 2026 年 10 月時点の Pinterest のヘルプでは、リンク先のページに Open Graph か Schema.org のタグを置くと、リッチピンの情報がサイトから自動で取り込まれると説明されています。短縮 URL を使う場合も、タグを置くのはリダイレクト先のページの HTML です。
ボード単位の計測も、効果を見る観点になります。同じブランドでも、「インテリア」「キッチン」「子育て」のボードでは流入してくるユーザー層が違うことがあります。 UTM の 「utm_campaign」 にボード名 (slug) を入れ、 「utm_content」 にピンタイプ (画像、動画、カルーセル) を入れて計測すると、「インテリアボードのカルーセルピンが商品 A の購入につながる」「子育てボードの動画ピンはニュースレター登録に効く」といった粒度で施策を分解できます。
Pinterest は買い物の入口にもなるプラットフォームです。次に買うものを探す目的で使う利用者が多く、Pinterest 自身も買い物の場としての性格を前面に打ち出しています。商品 ID 別の短縮 URL を発行し、Shopify や BASE などの EC プラットフォームでピン経由の購入を分析できる構成にすると、商品ごとの「Pinterest 適性」が見えてきます。同じブランドの中でも、テキストで説明が要る商品より、ビジュアルで選ばれる商品のほうが Pinterest に向くことがあり、品揃えを見直す材料になります。
注意点としては、Pinterest がスパム対策の方針を明示している点です。 2026 年 8 月時点のコミュニティガイドラインでは、収益目的で反復的 / 誤解を招く / 無関係なコンテンツを保存する行為やスパム対策の仕組みを回避する行為が禁止され、違反したコンテンツは削除や配信の制限の対象になるとされています。スパムに悪用されるリダイレクトサービスがブロックされる場合があることも書かれており、遷移先が利用者に予測できる形を保つのが前提です。短縮 URL の種類を無闇に増やさず、信頼性の高い独自ドメインの短縮 URL を 1 〜 2 種類に絞る方法があります。
ピンの形式についても押さえておきたい変更があります。かつて Pinterest には通常のピンとは別に Idea Pin (複数ページ構成のストーリー型コンテンツ) があり、外部リンクを付けられない仕様でした。 Pinterest は 2023 年 8 月にこの 2 つを 1 つのピン形式へ統合し、統合後のピンには外部リンクを追加できるようになったと公式ブログで説明しています。 2026 年 8 月時点では投稿時に選ぶピンの形式は 1 つで、静止画でも動画でも複数ページでも同じピンから遷移先へ送れます。そのうえでプロフィール欄にも短縮 URL を置いておくと、個々のピンから訪れた利用者がアカウント全体の入口を見つけやすくなります。
Pinterest の短縮 URL 戦略は、ストック型チャネルの利点を活かす長期視点と、リッチピンのタグやスパム対策の方針への配慮、ボード別計測が要点です。 X や Instagram のように 1 日単位で結果を求めず、四半期単位で施策の効きを見ると、長く続く流入を捉えやすくなります。