短縮 URL の世界には、想像を超えるスケールの記録が存在します。最もクリックされた短縮 URL 、最も長く生き続けている短縮 URL 、 1 日で最も多く生成された短縮 URL の数。これらの数字は、短縮 URL がインターネットのインフラとしていかに巨大な存在であるかを物語っています。
「最もクリックされた単一の短縮 URL 」の記録は、政治とエンターテインメントの分野で生まれています。 Bitly の公開データによると、 2020 年の米国大統領選挙期間中に作成されたある政治キャンペーンの短縮 URL は、 1 つのリンクだけで 4,800 万回以上クリックされました。これは、日本の人口の約 38% に相当する数字です。エンターテインメント分野では、 2012 年に公開された PSY の「江南スタイル」のミュージックビデオへの短縮 URL が、数千万回のクリックを記録しました。 1 つの URL がこれほどのトラフィックを処理できるのは、短縮 URL サービスのインフラが高度にスケーラブルに設計されているからです。 Bitly のインフラは、ピーク時に 1 秒あたり数万のリダイレクトリクエストを処理できる能力を持っています。
「最も長く生き続けている短縮 URL 」は、 TinyURL の初期に作成されたリンクです。 TinyURL は 2002 年にサービスを開始し、初期に作成された短縮 URL の一部は 2026 年現在も機能しています。つまり、 24 年以上にわたってリダイレクトを維持し続けているのです。これは、短縮 URL の世界では驚異的な長寿記録です。前述のとおり、短縮 URL の約 61% が 2 年以内にリンク切れになるという研究データがある中で、 20 年以上生き続けている短縮 URL は、インターネットの「生きた化石」と言えるでしょう。 TinyURL がこの長寿を実現できた理由は、サービスが一度も停止せず、ドメインが一度も変更されなかったことにあります。インターネットの記録に関する書籍は Amazon でも探せます。
1 日あたりの短縮 URL 生成数の記録は、大規模なイベントと連動しています。 Bitly のデータによると、 2020 年の米国大統領選挙の投票日 (11 月 3 日) には、 1 日で約 5,000 万の短縮 URL が生成されました。通常の日の約 1.5 倍のペースです。ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの大型セール期間も、 EC サイトのプロモーションリンクが大量に生成されるため、短縮 URL の生成数が急増します。日本では、楽天スーパーセールや Amazon プライムデーの期間中に短縮 URL の生成数がピークを迎えます。
「最も短いスラッグ」の記録は、理論的には 1 文字です。 `bit.ly/a` のような 1 文字スラッグは、サービス開始直後に作成されたリンクに割り当てられており、現在は新規に 1 文字スラッグを取得することはほぼ不可能です。 Bitly の場合、初期のスラッグは 5 〜 6 文字でしたが、生成数の増加に伴い、現在は 7 〜 8 文字が標準です。数学的に計算すると、英数字 (a-z, A-Z, 0-9) の 62 文字を使用した 6 文字のスラッグでは約 568 億通りの組み合わせが可能ですが、 Bitly の累計生成数 (600 億以上) を考えると、 6 文字では足りなくなりつつあることが分かります。将来的には、スラッグの文字数がさらに増加するか、使用可能な文字種を拡張する (Unicode 文字の導入など) 必要が出てくるかもしれません。短縮 URL の世界記録は、インターネットの成長とともに更新され続けています。